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お子さまの義務教育期間、発達障害とともにどう向き合うか?
みなさん、こんにちは。
「札幌の「大人の発達障害」お助け窓口」では、札幌市にお住まいの発達障害のあるかたへ向けた暮らしや日々の困りごとを解決するヒントをご紹介しております。
今回この記事では、
- 札幌市内で就学している(これから就学する)
- 発達障害のある中学生以下のお子さまの保護者のかた
を対象とし、札幌市内でお子さまが就学するにあたって、
どんな選択肢や手立てが存在するのかをテーマに情報をご紹介していきます。
「うちの子発達障害があるけど、学校生活大丈夫かな?」
「集団生活、小学校や中学校にあがってからのほうが苦労するかも…」
お子さまとの日々を共に過ごす保護者の皆さまには、きっとこのような不安やお悩みをお持ちのかたが多いのではないかと思います。
お子さまが成長するとともに、
「どんな大人になるのかな?」「何を目指して生きていくのか…?」
実際にお子さまが成長するにつれ、不安と期待が入り混じったような、そんな感覚をお持ちなのではないかと推測します。
その成長過程の中で避けては通れないのが、
義務教育期間、そしてその後のお子さまの就学や進路に関することなのではないでしょうか。
幼稚園や保育園等での生活を経て、小学校、そして中学校への入学が控えている…
読者の皆さまのなかには、現在まさにそういった境遇の保護者さまもいらっしゃるかもしれません。
- うちの子、クラスメイトと仲良くやっていけるかな?
- 話すのが苦手な我が子は、友達が出来ずに困ってしまうのでは…?
- 唐突なうちの子の行動や発言に、周りの子や先生はびっくりしちゃうんじゃないか…
当事者であるお子さま自身以上に、保護者の皆さまのほうが心配に感じる事柄も沢山あるのではないでしょうか。
また就学という言葉に「学」がつくように、お子さまの「勉強に対する取り組み」への懸念も出てくることでしょう。
「授業についていけるかな?」
「覚えが悪くて、学校の先生たちに迷惑かけてしまうかも…」
小学校も中学校も、学年が上がるにつれてその懸念はどんどん大きくなるはずです。
- 義務教育期間にお子様が受けられる教育に関連した支援とは?
- お子さまの就学にあたって保護者の皆さまができることや考えるポイントは?
今回この記事では、この2つを中心にお伝えをして参ります。
またこの記事は3本構成で執筆しており、今回はその第2弾となっております。
3本それぞれ、テーマやニーズに違いをつけております。
こちらを読んでいる保護者さま・お子さまの状況やお悩みにあわせ、他の記事もご覧いただけますと幸いです。
第1弾:こちらもCHECK
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【未就学〜小学校のお子さまを持つ保護者さま向け】中学生以下の発達障害を持つお子さまのためにできることは?
▼内容解説動画もチェック! https://sapporo.works/wp-content/uploads/2026/02/発達障害のある子どもと心を通わせる方法.mp4 はじめに:自身の子供が発達障 ...
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第2弾【就学しているお子さまがいる保護者さま向け】発達障害がある中学生以下のお子さまのために保護者さまが手伝えることは? ←当記事です。
第3弾【発達障害がある中学生以下のお子さまがいる保護者さま向け】困った時に頼れる存在はどこの誰?(仮)
また、当記事も含め、以下の2名で執筆をしております。
この記事の筆者について
筆者① こさか
- 札幌市で障がいをお持ちの方の相談員をしております。
- 主な業務は障害福祉サービスの調整(ヘルパー調整やグループホーム入居のお手伝い、病院や役所等への連絡)をしております。
- 山登りやボルダリングが大好きです
筆者① ほそかわ
- 札幌市内の障害福祉サービスを提供する事業所にて、生活支援員/精神保健福祉士として勤務しています
- 勤務している事業所では日々、一般就労を目指す障害者のかたの就職活動のお手伝いや訓練の実施、個別対応を行っています
- コスメやアパレルに関する情報を収集するのが好きです。
それでは、よろしくお願いいたします。
もくじ
(1)お子さまの発達障害と学習、学校生活で悩みで挙がりうる事柄について
①学校生活における不安
②勉強が進まず困ってしまう
(2)その子にあわせた学習・就学環境を考えたときにとれる選択肢
①学級(クラス)の種類を変える
②通級指導教室(まなびの教室)の活用
③特別支援学校について
④私立中学校やフリースクール選ぶことの意味
⑤将来を見据えて考える
(3)何を基準に選択肢とする?
〈結論〉1番大事なのは、お子さまの気持ちを尊重すること
(1)お子さまの発達障害と学習、学校生活で悩みで挙がりうる事柄
①学校生活における不安
今まで過ごしていた幼稚園や保育園を卒園し、多くのお子さまはご自宅の近くおよび学区に基づいた小学校、そして中学校へと入学していくパターンが多いはずです。
進学というのはお子さまの成長と同時に、保護者の皆さまにとっても一つの達成感を味わうタイミングなのではないでしょうか。
また同時にお子さまたちにとって進学先はある種「未知の世界」であり、期待と不安が混ざったような、そんな不思議な感覚を持っている…きっと子供時代を過ごした保護者の皆さまにも、共感できるところが少なからずあることでしょう。
一方で、保護者の皆さまにはお子さまに対して以下のようなことが頭に浮かぶかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
- 環境が変わって、自分たちの子どもは学校になじめるのだろうか?
- 授業中や学校行事で静かに過ごすことができるの?
発達障害のあるかたはお子さまも含めて、「環境の変化や急な予定の変更に不安を感じる」といったかたが多くいらっしゃいます。
- 先のことに対して見通しが立たない
- 想像のできないものに安心ができない
先に表現した「未知の世界」というのは、発達障害があるお子さまにとっては
- なんだかソワソワする…
- 落ち着かない、どうすればいい…?
このような感覚が強く出ているのかもしれません。
例えば注意欠如・多動性障害(通称:ADHD)の特徴の一つに、衝動性が挙げられています。
お子さまが学校生活において衝動性が出やすい場面を具体的に挙げるとするならば、以下のようなものが想定されるかもしれません。
- 授業中、その内容に関わらず自身が見たものや聞いたものに対して強く反応を示す
- 算数の授業をしているのに、別の科目の教科書を開いて一人で黙々と時間を過ごしている
- 目に映ったものを追いかけたくて、教室を飛び出す
- クラスメイトと先生の集団で動いているけど、興味のあるものにそのまま惹かれて気づいたら別の場所に一人いた(取り残された)、そして先生に怒られてしまう
これらのほかにも、あらゆる場面が想定されることでしょう。
上記のような事柄は学びや学校生活における支障・懸念はもちろんですが、課外授業などのような特殊な場面では事故や怪我につながる可能性も決してゼロではないはずです。
発達障害と一口に言っても、お子さまの数だけ特徴やパターンが存在します。
ここで挙げる発達障害に由来して起こりうる困りごとの想定例は、あくまで一例のみの取り扱いとなることをご了承ください。
②勉強が進まず困ってしまう
国語、算数(数学)、理科、社会、そして英語など…
学校の生活の多くの時間が、学校の先生たちによる集団授業で占められていますね。
改めて保護者の皆さまも自身の学校生活を思い出していただければと思いますが、
小学校、中学校の勉強と言われて思い浮かぶのは、
- 50分前後の時間、私語を慎み先生の話を座って聞く
- 指定された教科書とノートを開いて読む
- 先生が黒板に書く情報をノートに写す
- あらゆる科目で宿題が出て、放課後に取り組む
こういったイメージなのではないでしょうか。
発達障害のひとつである自閉症スペクトラム(通称:ASD)にはこだわりと呼ばれる特性があります。
こだわりはその人およびその子の関心や価値が反映される部分でもありますが、
時にそれが学校での学びの場面において、お子さま本人の辛さに変わる場面も起こり得ます。
- 納得できないと次に進むことが難しい
→「これはこう解くよ」という問題と公式が提示され、答えが出せる状態にはなっているが「なぜこの公式はつくられるのか?」といった疑問でいっぱいになり、答えを出すというステップに至りにくい
- 教科書などが見辛い、使用そのものが困難でストレスになる
→記載されている文字のフォント、レイアウトや配色が濃すぎる、薄すぎる、煩わしく思えてしまう
といったような、思考や視覚といったところから影響を受けることがあります。
また学習障害(通称:LD)も発達障害の1つとしてカテゴリ分けされていますが、これには
- 書字(しょじ:字を書くこと)
- 読字(どくじ:字を読むこと)
- 計算(けいさん:数字を足す/引く/掛ける/割るといった、日常でも年齢関係なく行うもの)
に対して極端に苦手や出来ないが生じる、といった特性が挙げられます。
- 教科書に書いてあるひらがなやカタカナ、漢字を見ても、スムーズに読めない
→学校では席順ごとに教科書などの文章の読み上げを先生から指示されることもあるため、ここでつまづきを覚え気づくケースもある
- 指で数えられる範囲ならば問題ないが、桁が増えることで数字を扱うのが辛い
- 文字を読むことはできるが、内容の理解が難しい
ここでお伝えしたいのは、これらの事柄は勉強のできる/できない、が問題なのではなく、お子さま自身が真面目に学びに向き合っても、
こだわりや特性によって学びや取り組み、せっかくの頑張りが制限された状態に見えてしまうこと。
ここが後に、お子さまにとって困り感や自信の喪失に繋がる可能性となってしまうということです。
では発達障害があるお子さまが学校での学習と向き合っていくためには、何が求められるのでしょうか。
参考関連リンク
(2)その子にあわせた学習・就学環境を考えたときにとれる選択肢
(1)お子さまの発達障害と学習、学校生活で悩みで挙がりうる事柄 では、発達障害のあるお子さまが学校生活においてどのような困りごと、壁にぶつかる可能性があるかを提示してきました。
皆さまのお子さま全員が、上記のような状態になるということではありません。
お子さまの障害の特徴やその程度によって、困りごとも変わってきます。
困りごとは様々、かといって何もしないのも不安である…
そう感じる保護者のかたが多いのではないかと思います。
けれども何から始めたらよいのか…この問いに対する結論は、
- お子さまの障害の特徴や状態にあわせた環境をつくる/工夫する
- そのために的確な場所を、お子さまともに選んでいくこと
が大切です。
じゃあ、お子さまのためにどんなことをしていけばよいのか?
その答えはきっといくつもありますが、今回ここで提示したいのが、
お子さまに合う学習環境を一緒に整えていくことです。
学校では、1つのクラスに20〜40人前後の児童、生徒が集い日々授業が展開されるかと思います。
しかし、その環境では(1)お子さまの発達障害と学習、学校生活で悩みで挙がりうる事柄 で挙げた事柄によって、
学びや学校生活に対して困難を感じるお子さまもいらっしゃいます。
そこで、お子さまの障害にあわせた環境を選んでいくために、
環境そのものに選択肢を持ってみることをここでは提案したいと思います。
では、環境や選択肢にはどのようなものが該当するのか?
ここからは学校教育において、その環境の選択肢と成り得るものをいくつかご紹介してまいります。
①学級(クラス)の種類を変える
まず前提として、多くの公立の小中学校の学級(クラス)には、
- 通常学級
- 特別支援学級
大きくこの2つの種類があります。
まず、通常学級についてです。
■ 通常学級とは
1人の先生が担任となり、障害の有無に関わらず数十人の生徒がクラスに所属しているような、学校のクラスの中で多くを占める存在です。
読者である保護者の皆さまの多くが「学校といえば」とされたときに想像するのが、おそらくこの通常学級なのではないでしょうか。
そして学校においてもう一つ存在するのが、特別支援学級と呼ばれる種類のクラスです。
■ 特別支援学級とは
発達障害を含む、障害のある児童や生徒を対象とした少人数のクラスです。
学習や生活支援においては専門の教員がつき、お子さまの理解度や特性に合わせて授業を行います。
特別支援学級への所属は、
発達障害があるお子さまの学びや学校生活への安心を保護者の皆さまも含めて感じることに繋がるかもしれません。
特別支援学級については教育委員会が管轄をしており、希望する場合は札幌市教育センターへの教育相談、就学相談が必要です
このようにクラスに種類が存在することを知った一方で、以下のような疑問を感じる保護者のかたもいらっしゃるのではないかと思います。
Q1.特別支援学級に入ったら、通常学級の子とずっと交流することはないの?
A.いいえ。学級の種類が別だからといって、全く交流がないということではありません。
実は通常学級と連携して学習活動や行事に参加する機会も設けられています。
また上述したように特別支援学級では「子どもの理解度や特性に合わせて授業を行う」ため、下記のような選択することも可能です。
- 国語や数学:特別支援学級で基礎から学ぶ
- 体育や音楽:通常学級で他の子と活動する など
Q2.通常学級から特別支援学級への移動、またはその逆はないのか?
A.あります。
お子さまの障害の程度、通常学級での学びの状態によっては学校生活の途中から通常学級から特別支援学級へ移ることを検討、実行することが可能です。
逆にお子さまの意向(もっと同級生たちとともに授業を受けたい、など)に沿って、特別支援学級から通常学級へ籍を移すこともできます。
通常学級での学びに不安がある場合については、
- 通級指導教室の活用(以下の②通級指導教室(まなびの教室)の活用で紹介)
- 事前に配慮の申し出をする →これを「(◇)合理的配慮」といいます
で対処を行うことも手段の一つです。
(◇)合理的配慮とは
障害のあるかたが学校生活や就労しての活動を行う上で、障害により苦手と感じる事柄について考慮してもらうための申し出のことを指します。
学校生活においては、子どもが学びやすく、安心して学校生活を送るために行われる調整を依頼することが、合理的配慮にあたります。
◯視覚的な障害により、黒板や教科書の文字が読みづらい
▶授業中にタブレットや拡大教科書を使えるようにする
◯先生からの授業中の指示内容が把握しにくい
▶指示を口頭と文字で併用する
◯集中が続きにくい、もしくは過度な集中で疲れやすい
▶お子さまのペースで休憩をこまめに取れるようにする など
②通級指導教室(まなびの教室)の活用
①学級(クラス)の種類を変える では、クラスの種類とその特徴についてご説明しました。
お子さまの障害の程度や状態、そしてお子さまの希望に合わせてクラスを選ぶことになるかと思いますが、
「うちの子、別に友達とのコミュニケーションが苦手そうに見えないけど、勉強についていくのが明らかに大変そう…」
「けど、特別支援学級に入れるのもなんか違う…」
中にはこんな感触をお持ちのかたもいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでご紹介しておきたいのが、通級指導教室(通称:まなびの教室)です。
これは発達障害のあるお子さまが通常学級に通いながら、必要に応じて学習の個別支援を受けられるというものです。
まなびの教室では、学習上のつまずきや対人関係の課題を専門教員と一緒に練習でき、子どもの得意・不得意に合わせた指導が行われます。
同級生の子たちとの時間を大切にしつつ、学校生活を楽しく送りたいというお子さまのニーズがある場合は、選択肢とできるのではないでしょうか。
特別支援学級同様、通級指導教室(まなびの教室)も利用にあたって札幌市教育センターでの相談が必要となります。
特別支援学級や「まなびの教室」を利用するには? の欄で記したように、上記のクラスや支援の利用については教育委員会が管轄をしています。 利用の希望のもと、保護者・学校・教育委員会や札幌市教育センターでの協議および打ち合わせを行いクラスへの所属や利用の可否が決まります。 参考関連リンク集
指定される提出書類にあわせ、場合によっては「医師意見書」「心理検査の結果」などを求められることがあります。
③特別支援学校について
①学級(クラス)の種類を変える と②通級指導教室(まなびの教室)の活用では障害の有無に関係なく学習と生活が遅れることを前提とした公立の学校を前提にお伝えをしておりました。
しかし中には、
「障害の有無に関係なく通えるのはいいが、子どもの障害の程度的にやはり学区内の公立の学校で生活してくのは親として不安かも…」
「学校で関わる子どものお友達やその両親の全員に、うちの子の障害とその辛さを理解してもらえるわけではない、はたしてそれでいいのか…」
このような考えや思いを持っているかたもいらっしゃるのではないかと思います。
上記のような不安に対して提示したいのが、特別支援学校の存在です。
特別支援学校では、
- 一人ひとりの特性に応じて個別の教育計画を作成する
- 生活習慣や社会性の育成を主体とした学校生活づくり
- 将来の進路につながる職業体験の実施する
といった、障害のあるお子さまにとって実践的な学びを重視した取り組みを行っています。
通常学級や特別支援学級での支援だけでは十分に学習や生活が難しいと判断されたお子さまが入学、通学の対象です。
また 学校によって
- 小学部〜高等部まである(対象:肢体不自由)
- 高等部のみ(対象:知的障害)
- 中等部と高等部がある(対象:難病のかた)
などのように、設置状況や対象とする障害も異なります。
入学を検討する基準を具体的に例示すると
- 発達障害と併せて知的障害があるケース
- 障害の程度や知的な問題により、集団での活動に対して困難さが示唆される場合
などが挙げられます。
障害について理解のある環境で学校生活を送れることが、
- お子さまが自分の力に自信があること
- 将来の自立につながるスキルを高めること
に繋がる可能性があるのです。
特別支援学校も、入学を検討する場合は札幌市教育センターでの相談が必要となります。
参考関連リンク
④私立中学校やフリースクールを選ぶことの意味
ここでご紹介したいのが、私立学校とフリースクールという選択肢です。
私立の学校の場合、
少人数制や独自の教育方針に基づいた柔軟な学習環境を整える学校もあるため、
お子さまにあわせた個別の対応を学校側へ直接相談できるケースがあります。
また障害によるいじめや不信感、それによる不登校や集団生活に困難を感じたお子さまが、フリースクールを自身の居場所とすることもあります。
フリースクールは小学校、中学校のような義務教育のための教育機関という位置づけとは異なります。
けれども、フリースクールにもあらゆる種類や独自のプログラムが存在するため、
お子さまのニーズに応じてどのフリースクールを利用するかの選択が可能です。
自分らしく、時に自由さを持って過ごすことができる環境であることがフリースクールの特徴と言えるでしょう。
私立の中学校やフリースクールという選択が、公立の学校では応えることが難しいニーズを補える可能性があるのです。
⑤将来を見据えて考える
中学校を卒業するということは、義務教育を終えることを意味します。
その後の進路は進学はもちろん、これから働くことや自立を視野に入れた選択肢を検討する可能性もあるでしょう。
義務教育終了後は進路の選択に自由さがある一方、お子さまが成人年齢である18歳に近づいていくにつれて、
大人になった我が子の行く末とはどこなのか。
ここを想像しはじめる保護者さまも多いのではないでしょうか。
ここで提示したいのが、中学を卒業する(した)障害があるお子さまに向けた高校入学試験や就労への取り組みです。
例えば、以下のようなものがあります。
◆高校の入学試験における配慮や調整
発達障害のあるお子さまが高校への入学を希望される場合、入試を受験する際の配慮を出願時に申し出ることが可能です。
例えば、試験を受ける環境によってはお子さまの発達障害の特徴(光や音などによる感覚過敏など)と相性が悪く、本来の力を試験で発揮できないということも想定されます。
その場合、環境に配慮を行い他の受験生とは異なる別室での受験を認められる場合があります。
また、入学試験の方法が筆記試験でなく面接などである場合についても、質問の方法や伝え方に配慮が適応されるケースもあります。
進学の機会を障害の有無にとらわれず、適切な環境や姿勢を整備することがその子にとって安心できる状態を作ることが可能になります。
入学試験において配慮を依頼しても、その内容が受けられるかどうかは絶対ではありません。
そのため受験を希望する学校を管轄する教育委員会や、試験を運営する学校法人等に問い合わせ、確認を行っていただくことが適切です。
◆就労を視野に入れた学び
特別支援学校の高等部では、卒業後の就労を見据えた科目の実施や専門的なコースを設置しているところがあります。
実際に働くことを想定し、地域と連携して
- 模擬的に業務の受注をする
- 実習にて働く現場で作業をする
といった取り組みを行なっているのです。
私たちもそうですが、学生を終えていきなり社会に出ること・働くことに対しては不安や戸惑い、学校と社会の環境へのギャップも大きいです。
学びのなかに「就労とのつながり」があることで、お子さまが卒業後どこかの職場に入ったとき、安心して働くことができるかもしれません。
◆じゃあ、迷ったときは…?
進学を考えるべきか、働くことを視野に入れた道に進むのが良いのか…?
お子さまと話していく中で、将来の選択に迷いが生じる場面も出てくるかもしれません。
そのような時は、
- 教育委員会が設置する専門窓口
- 発達障害者支援センター
のような、専門的な機関や窓口に問い合わせてみるのも手段の一つです。
- お子さまの進学のためにに何を準備すべきか
- 抱える困り感を具体化して、今どんな課題に直面しているのか
客観的な視点を踏まえることで、お子さまの状況やニーズが整理しやすくなるかもしれません。
(3)何を基準に選択肢する?

〈結論〉1番大事なのは、お子さまの気持ちを尊重すること
ここまで、小学生〜中学生の発達障害のあるお子さまの
- 学校生活や学びのためにできること
- 保護者の皆さまが把握しておくと安心な選択肢
を中心にお伝えをして参りました。
できることや選択肢そのものはいくつも存在します。
けれどもそれを選ぶにあたって大切にしてほしいのが、お子さまの気持ちそのものです。
お子さまのことを考えるつもりが、ついつい保護者の皆さまの希望や、周囲の支援者の気持ちばかりが先行して、お子さま本人の気持ちが置いてけぼりになってしまうことが、支援の現場でも起こります。
選択に迷った時こそ、
「この子は何を望んでいるのかな?」
と、行動の原点となるところに立ち返ってみるのが大切です。
お子さまの気持ちや「こうしたい」が出てこない場合は、今回提示したような支援機関や環境を活用し、お子さま自身に選択のきっかけを作ってみることも有効ではないでしょうか。
改めて、本サイト「札幌の「大人の発達障害」お助け窓口」では就職活動以外でも、発達障害に関連する困りごと、皆さんの助けとなれる情報を今後も掲載しております。
何か気になるトピックがありましたら、一緒にお読みいただけますと幸いです。
最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。
それでは、またどこかでお会いいたしましょう。