人間関係 札幌の就労移行支援

引きこもりからの自立支援ガイド|家族と本人が一歩を踏み出すために(制度・支援機関編)

はじめに:引きこもりの方ご本人とご家族が一歩を踏み出すためには、何をすればいい?

皆さん、こんにちは。

「札幌の「大人の発達障害」お助け窓口」をご覧いただきありがとうございます。

本サイト「札幌の「大人の発達障害」お助け窓口」では、札幌にお住まいの発達障害をお持ちの方へ向けた暮らしや日々の困りごとを解決するヒントをご紹介しております。

この記事では、

  • 引きこもりの人が自立へ向かうまでの流れ
  • 利用できる支援機関

の2つについて説明を行っています。

 

この記事の筆者について

筆者① こさか

  • 札幌市で障がいをお持ちの方の相談員をしております。
  • 主な業務は障害福祉サービスの調整(ヘルパー調整やグループホーム入居のお手伝い、病院や役所等への連絡)をしております。
  • 山登りやボルダリングが大好きです

筆者② さわい

  • 公認心理師精神保健福祉士の国家資格をもっており、日々障害のある方の悩み相談に乗ったり、心理学の知識を元に働く際に役立つスキルをお伝えする業務を行っています。
  • 大学と大学院で認知行動療法・マインドフルネスについて専門的に学びを深めました。
  • 趣味は美味しいものを食べることジムで筋トレソフトクリーム屋めぐりです。

 

もくじ

(1)引きこもりの「自立支援」とは?

引きこもりの「自立支援」とは、

『「長期間社会から離れて生活している本人が、再び安心し生活し、人と関わり、地域社会と関われるようになる」までを支えるサポート』

のことです。

いきなり働くことや学校へ行くことは目指しません。まずは本人が自分らしく生活できる状態を目指していきます。

その際に大切なのは「小さな一歩」です。たとえば、

  • 外出できるようになる
  • 家族以外の人と話せるようになる

などの小さな一歩が「自立」へつながります。
焦らず段階を踏みながら、自分に合ったペースで進めることが重要です。

引きこもり支援と自立支援の違い

引きこもり支援と自立支援は似ていますが、目的とアプローチに違いがあります。

  引きこもり支援 自立支援
目的 現状の孤立感・不安感をひとりで抱え込まずに、今の生活を安定させること 社会参加を実現・継続すること
アプローチ 心のケアや居場所づくり、家族支援 就労支援や生活訓練、社会的スキルの獲得

つまり、引きこもり支援が“支える”段階なら、自立支援は“一歩踏み出す”段階です。

両方の支援機関を活用することで、自立へ向けてゆっくり歩みはじめることができます。

 

支援機関と関わることで得られる3つのメリット

支援機関のおこなう自立支援を受けることで、本人や家族には大きく3つのメリットがあります。

  1. 安心
    専門スタッフとつながることで、孤立感が減り、悩みを共有できる環境が生まれます。
  2. 継続
    支援機関は一度の相談で終わらず、本人のペースに合わせて段階的に支援を続けてくれます。
  3. 社会復帰
    就労支援や訓練を通じて、働く・学ぶなどの新しい一歩を踏み出せます。

支援を受けることは“弱さ”ではなく、“回復の始まり”です。

(2)引きこもりから自立するためのステップ|最初の一歩から社会復帰までに、何をする?どんな支援機関を頼る?

先ほどもお伝えしましたが、引きこもりから自立するためには、段階的な支援と継続的なサポートが欠かせません。

多くの場合、次の順番で支援が進んでいきます。

step
1
現状の整理:現状を把握し、相談窓口にアクセスする

step
2
居場所づくり

step
3
就労支援の利用

以下では、それぞれの具体的な内容について紹介します。

1.現状の整理:現状を把握し、相談窓口にアクセスする

最初の一歩は、本人や家族が「現状を客観的に把握すること」です。引きこもりの期間、生活リズム、健康状態、家族との関係などを整理することで、必要な支援の方向性が見えてきます。

利用できる支援機関

  • 各自治体の「ひきこもり地域支援センター」
  • 自立相談支援機関

ひきこもり地域支援センター

「ひきこもり地域支援センター」では、専門の相談員が本人や家族からの悩みを聞き取り、適切な支援機関や医療機関へのつなぎを行います。

特徴は、年齢や状況を問わず幅広い相談を受け付けている点です。また、家族への支援も重視しており、講座や家族会の紹介なども行っています。

外出に不安がある場合には、電話やオンラインでの相談も可能です。
引きこもり支援の「入り口」として、気軽にアクセスできる窓口のうち一つです。

自立相談支援機関(生活困窮者自立支援制度)

生活や仕事に困っている人を包括的に支援するのが「自立相談支援機関」です。
市区町村によって名称は様々ですが、各自治体が運営しており、無料で相談できます

利用の流れとして、

step
1
窓口や電話で相談

step
2
支援員と面談

step
3
就労支援・生活支援・住居確保などの支援計画の作成

があります。
必要に応じて、就労訓練や家計相談、医療機関の紹介なども受けられます。

特徴は、経済的な困難と社会的な孤立の両面をサポートする点にあります。
引きこもりから自立を目指す際、「生活再建」から支えてくれる頼もしい制度です。

 

今紹介した2つの窓口では、専門の相談員が状況を丁寧にヒアリングし、
利用できる支援制度や今後のステップを一緒に考えてくれます。

家族が一人で悩むよりも、早期に公的機関へ相談することで適切な支援につながりやすくなります。
まずは電話やメールなど、話しやすい方法からアクセスしてみましょう。

2. 居場所づくり:居場所づくりをサポートする相談先や訪問支援を活用する

相談後に大切なのは、「安心できる居場所づくり」です。

利用できる支援機関

  • 地域のフリースペース
  • 居場所づくりの団体
  • 訪問支援

地域のフリースペースや居場所づくりの団体では、同じような経験を持つ人たちと交流でき、孤立感の軽減につながります。

訪問支援では、職員が家庭を訪ねて生活習慣の改善や日常的な相談に応じてくれるため、外出へのハードルを下げる効果があります。
たとえば、週に一度の訪問から始めて、少しずつ通所型の活動に移行するケースもあります。

 

3.就労支援の利用:就労に向けた支援サービスを見学・体験・利用開始する

社会との接点を持ち始めたら、「働くこと」に向けた支援を検討しましょう。

活用できる支援機関

  • 就労移行支援
  • 就労継続支援(A型・B型)
    若者サポートステーション(通称サポステ)
    15歳〜49歳までの若者を対象に就労や社会参加を支援している機関です。
    キャリアカウンセリングや職場体験、就職準備講座などを通じて、段階的に自立を目指せます。
  • 子ども若者総合相談センター
    若年層(主に18歳~34歳)やその家族へ向けて家庭環境の問題を含めた相談にも対応しています。

就労移行支援では、パソコンスキルやビジネスマナーなど、一般就労を目指すためのトレーニングを受けられます。
就労継続支援(A型・B型)では、体調や特性に合わせて働く機会を得ながら、段階的に自立を目指します。

これらのサービスは公的制度により費用の一部が助成されるため、経済的な負担を抑えながら利用できます。

若者サポートステーション・子ども若者総合相談センター

15歳〜49歳までの若者を対象に、就労や社会参加を支援しているのが「若者サポートステーション(通称サポステ)」です。
キャリアカウンセリングや職場体験、就職準備講座などを通じて、段階的に自立を目指せます。

子ども・若者総合相談センターでは、若年層やその家族へ向けて家庭環境の問題を含めた相談にも対応しています。

両者に共通する特徴は、「働くこと」だけでなく「社会とのつながり」を取り戻す支援を重視していることです。就労経験がない人やブランクが長い人でも安心して利用でき、家族が代理で相談することも可能です。

 

(3)民間の就労支援・訪問支援サービスの特徴と選び方

公的支援だけでなく、民間の就労支援や訪問支援サービスを活用することも効果的です。

民間事業所では、引きこもり経験者向けのカリキュラムやカウンセリング、オンライン支援など、柔軟で個別性の高いサポートを受けられます。
特に、訪問支援は外出が難しい段階の人にとって有効で、支援員が自宅を訪れ、信頼関係を築きながら少しずつ社会参加を促します。

「どのサービスを使うか?」と迷ったときの選び方のポイントは、

  1. 支援内容の実績
  2. 職員の専門性
  3. 実際にサービスを利用している方のレビューも参考にする

です。
無料体験や初回相談を利用して、自分や家族に合う支援スタイルを探していきましょう。

 

支援事業所を比較する際のポイント(費用・実績・サポート体制)

複数の支援機関を比較検討する際は、まずは次の3点を軸に探してみましょう。

  1. 費用
    公的支援は無料または低料金で利用できる一方、民間は有料の場合が多いため、料金体系や助成制度の有無を確認しましょう。
  2. 実績
    支援人数や就職・復学などの成功例が明示されているかをチェックします。
  3. サポート体制
    家族支援やアフターフォローなど、継続的な支援があるかどうかも大切です。

比較の際は、

  • 説明会や見学会に参加して、利用者や職員に実際に会って雰囲気を確かめる
  • そして、「このサービスを実際に利用すると、どうなるのか?」をイメージする

ことで、より納得できる選択ができる可能性が高くなります。

特に、福祉サービスは利用者と直接対面して支援を行うため、「どんな職員が・どんなことが出来るのか?」が、提供できるサービスの質に直結します。

例えば、一般就職に向けてトレーニングを積めるサービスである就労移行支援事業所に絞っても、札幌市内に69か所もあります(令和8年1月1日時点)。
その中で、運営会社が「職員が働きやすい環境を意識的に整えていると、札幌市から認められている企業が運営する事業所(ワーク・ライフ・バランス取組企業※)」は、下の2か所です。

①ディーキャリア札幌オフィス・札幌大通オフィス・札幌駅北口オフィス(運営:株式会社フォアヴェルツ)

②ワークサポート・プティパ(運営:医療法人社団五風会)

ワーク・ライフ・バランス取組企業 とは

「札幌市ワーク・ライフ・バランスplus認証制度」の一定の基準に基づき、テレワーク・フレックスタイム導入、育児・介護支援(時短勤務、特別休暇)、健康経営(メンタルヘルス、運動促進)、有給休暇取得促進など、「職員が働きやすい体制を、運営会社が整えている」ことを札幌市が認定した企業です。

参考札幌市公式HP「ワーク・ライフ・バランスplus企業認証」

職員が働きやすいということは、事業所の雰囲気も良いってことですよね。
参考にしてみてください!

 

(4)引きこもりの自立支援にかかる費用と利用できる制度

引きこもりの自立支援を受ける際、気になるのが「費用」と「制度の活用方法」です。

支援内容によって費用は大きく異なりますが、公的制度や助成金を活用すれば自己負担を軽減できます。
無料相談や体験利用を通じて、無理のない形で支援を始めることも可能です。

ここでは、代表的な費用相場と公的制度の使い方、さらに無料で利用できる支援の種類を解説します。

 

支援サービスの費用相場と自己負担額

引きこもり支援の費用は、利用するサービスの種類によって異なります。

就労移行支援や生活訓練などの福祉サービスでは、原則1割負担となっており、月額1,000円〜1万円前後が一般的です。

民間の訪問支援やカウンセリングサービスでは、1回あたり5,000円〜1万5,000円ほどかかる場合もあります。

利用するサービスによっては所得に応じて負担上限が設けられているため、生活保護受給者や低所得世帯は無料で利用できるケースもあります。

まずは見積もりや制度説明を受け、自分の家庭状況に合わせた費用計画を立てることが大切です。

 

公的制度・補助金・生活保護の活用法

経済的な不安があっても、自立支援をあきらめる必要はありません。

  • 自治体では「生活困窮者自立支援制度」「就労準備支援事業」を通じて、相談や支援が受けられます。
  • また、障害福祉サービス受給者証を取得すれば、就労支援・生活訓練などの費用が大幅に軽減されます。
  • さらに、世帯の収入状況によっては生活保護の対象となり、通所や支援プログラムの費用が全額公費負担となる場合もあります。

まずはお住まいの市区町村役場や自立相談支援機関で、自分が利用できる制度を確認しましょう。

 

無料相談・体験支援の利用方法

支援を受ける前に不安を感じる場合は、まず「無料相談」や「体験支援」を利用するのがおすすめです。

多くの自治体や支援事業所では、初回相談を無料で実施しており、専門スタッフが現状を丁寧にヒアリングしてくれます。

「ひきこもり地域支援センター」「若者サポートステーション」では、プログラムの一部を体験できるイベントや見学会を開催しています。

実際の雰囲気を知ることで、本人や家族の不安を軽減しやすくなります。
相談窓口は電話・メール・オンラインでも受け付けているため、まずは気軽にアクセスして第一歩を踏み出してみましょう。

 

相談前に整理しておくべき情報

支援機関へ相談する前に、まず「現状の把握」と「希望の整理」をしておくと、相談がスムーズに進みます。

具体的には、

  • 引きこもりの期間や経緯
  • 家庭でのコミュニケーション状況
  • 本人が抱える不安や得意・不得意

などを整理しておくとよいでしょう。

 

また、家族として

「どこまで支援を希望するか」

「今後どうなってほしいか」

といった目標を共有しておくことも重要です。

 

この準備があることで、支援員が適切な支援計画を立てやすくなり、本人に合った自立支援につながります。
まずは整理した内容をもとに、地域の支援センターなどで相談を始めてみましょう。

 

おわりに

ここまで、

  • 引きこもりの方が自立へ向かうまでの流れ
  • 利用できる支援機関

について、順を追って情報をお届けしました。  

改めて、本サイト「札幌の「大人の発達障害」お助け窓口」では就職活動以外でも、発達障害に関連する困りごと、皆さんの助けとなれる情報を今後も掲載しております。

何か気になるトピックがありましたら、一緒にお読みいただけますと幸いです。

またお会いしましょう!

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